2-2. カーボンクレジット
最終更新
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カーボンクレジットは、認証機関から認定された二酸化炭素削減プロジェクトを通じて、大気中から削減、回避、または除去された二酸化炭素換算量 t-CO2(トン)を表す証明書です。
気候変動緩和策として空気中のCO2を低減させるために、カーボンクレジットの創出量を増加することを通じて、CO2の低減可能と実証されているプロジェクトを世界的に増やす必要があります。
カーボンクレジットは、計算方式として「ベースライン&クレジット」方式を採用しており、排出量見通し(ベースライン)に対して、実際の排出量が下回った場合、その差分についてMRV(モニタリング・レポート・検証)を経て、クレジットとして認証するものを指します。例えば、森林管理・植林を例にした場合、適切な森林管理や植林をすることで、ベースラインよりも多くのCO2吸収が達成できた場合、その差分をクレジットとして認証するというものです。森林管理・植林以外にも、法人で高効率なボイラーを導入したり、太陽光発電設備を導入することで当初の想定する排出量よりも少なくなった場合、その差分をカーボンクレジットとして認証を受けることが可能です。
カーボンクレジットには、大まかに「国連・政府主導クレジット(コンプライアンスクレジット」「民間主導クレジット(ボランタリークレジット)」の2種類があります。
国連・政府主導のクレジットは、各国や州が強制的に各企業に対して温室効果ガスの排出量の削減を求める際に利用可能なクレジットとなります。各企業が国や州に対して報告できるのは、国連・政府主導クレジットのみとなるため、該当の国の企業からは需要が大きいクレジットとなります(明確な需要が見込まれるため、価格も高くなる傾向にあります)。国によってはコンプライアンスクレジットをベースライン&クレジット方式ではなく、キャップ&トレード方式での排出権取引(ETS)のみを採用している場合もあります。
一方、民間主導クレジット(ボランタリークレジット)は各企業が国や州に対して自社の責任を果たすための目標数字として報告することはできません。ただし、一部の民間主導クレジットはCORSIA(※)にも許可されていたりなど、世界共通の基準を作ろうという動きから、所属している国によらない気候変動対策が可能であり、全世界的なカーボンゼロを目指すための大きなインパクトを起こす可能性があると注目されています。
(※)CORSIA: 国際民間航空機関が定めた「国際民間航空のためのカーボン・オフセット及び削減スキーム」
カーボンクレジットの種類として、排出回避 / 削減由来のものか、固定吸収/貯留由来のものかという分類での整理が可能です。
全てのカーボンクレジットの最小単位は「1 t-CO2(トン)」であり、CO2削減という観点では全て同じ価値ですが、実際にはプロジェクトの種類や認証機関、関係するソーシャルインパクトの存在等により価格が異なります。
SINRAでは、コベネフィットを多く保有し、地域活性にもつながる自然ベースでのカーボンクレジットを取り扱うことを通じて、自然資本を保全・再生・増幅する取組に対し、より多くの人や資金を流入させることに注力します。
また、初期はカーボンクレジットの中でも、まずは日本の森林から創出されるコンプライアンスクレジットであるJクレジットの活性化を目指し、Jクレジットに対応したNFTの創出に取り組みます。